今日は朝から空はどんよりと曇っていた。
途中、若干空が明るくなったが、
午後からは今にも雨が降り出しそうになって、
夕方には雨になった。
この週末は、市の図書館で借りた「マッカーサー回想記」
上下巻を読んでいた。
上下巻で、合計500ページ以上の大作だったが、
この2日間で何とか読み終えることが出来た。
シミなどでずいぶん汚れた本だと思ったが、
発刊日は、なんと昭和39年だった。
西暦だと1964年、発刊から60年近く経っていることになる。
読もうと思った動機は、ある外国の将軍(?)が、
ダグラスマッカーサーが史上最高の司令官だと思っていたが、
この回想記を読んで、更にその思いを強くした、
と述べていたことが引用されていたためだった。
毎年、終戦記念日に近くなると、日本側からの戦争観、
終戦時の思い、等が語られるドラマを見ることが多いが、
この回想記は、米国のある軍人からの戦争、そして終戦が
語られていて、大変参考になった。
よく三国志の諸葛孔明が最高の軍師、と言われるが、
マッカーサーは最高の戦略家であるだけでなく、
非常に公平で大局観を持った統治者である事がよく分かった。
もちろん、米国の大量の物資等にも助けられたかもしれないが、
マッカーサー将軍の立場からは非常に苦しい戦況の中で、
卓越した戦略で勝利をものにしていったことが分かった。
そして、敵である日本に対しては、断固として戦いを挑み
勝利して、勝った後は占領軍として、公正に日本を統治し、
日本の民主化を進めるとともに自主性を重んじて、
今の日本の礎を作っている。
そして、ロシアには断固として日本を分割統治させず、
中共にも断固たる姿勢で臨んで、
不利だった朝鮮戦争を盛り返したが、
米国本国からの指示によって、
やむなく38度線まで盛り返すにとどまっている。
マッカーサーでなければ、
今頃、北海道はロシアの領土になっていたかもしれない。
マッカーサーに政治的な野心は全くなかったようだが、
マッカーサーのような大局観を持った人が大統領に就任していたら、
今の朝鮮半島は分断されず、蒋介石が中国を統治していたかもしれない。
そう思うと、非常に残念な気持ちになる。
この回想記を読み始めたきっかけは、
フーバー元大統領の裏切られた自由から始まっているが、
いろいろな本を読んでいくと、1つの解釈だけでなく、
様々な立場の違う人の解釈が出てくる。
今回は、マッカーサー回想記を読んで、
いろいろと考えさせられたが、
更に別の立場の人の回想記などを読んでみようと思う。