2019年11月28日(木)リタイヤ生活894日目

今日も寒い小雨の1日だった。

本当に、気持ちのいい秋晴れの日が待ち遠しい。

明日は予報では晴れ、でも最高気温は10度とのこと。

日が射しても肌寒いかもしれない。

 

今日も、いつも通り。早めの昼食を摂ってからジムへ、軽く汗を流した。

滞在時間は1時間強程度。

かなり軽い運動だが、昨日の午前・午後と動き回っていたので、

丁度良い休養になっているかもしれない。

 

シャワーを浴びて、帰宅してから、次の場所へ。車で高齢者施設に向かった。

ここで月に1回だが、傾聴ボランティアをやっている。

もともとは家内から「私の話をちっとも聞かないので傾聴ボランティアの講座を受けたら」

と言われて始めることになったのだが、相変わらず家内の話は聞けていないかもしれない。

でも、一応施設では傾聴ボランティアはやっている。

最近は、ほとんど歌を歌っている場合が多いのだが、その間に時々傾聴もやっている。

 

施設におられる高齢者の方々の多くは、少し認知症を発症していることがあるが、

それでも、話は普通にできるし、昔のことは良く覚えている場合が多い。

問題は、ついさっきのことは忘れていることが多い、という点で、

場合によっては、1時間のボランティア活動の中で同じ話を10回以上聞くこともある。

 

同じ話を繰り返しても、「さっき聞きました」等とは絶対に言わず、ひたすら傾聴している。

ただ、毎回、応答の仕方は変えるようにしている。

相手の話をいっさい否定せずに、ひたすら聞くのだが、相づちを変えることによって、

出来るだけ、違う話も聞けるようにしている。

でもいつの間にか、同じ話に戻ってきてしまう場合が多い。

聞ける話は、自分の小さい頃の話や、家族の話など、

中には戦時中の話や終戦直後の話もあり、歴史的に貴重ではないか、と思える物もある。

 

過去には、このような傾聴をして、何の意味があるのか、と思った時もあったが、

施設の方の話によると、傾聴した後は、少し疲れて、夜ぐっすりと眠れるらしい。

それに、少しは頭の老化をくい止める働きもありそうだ。

 

私の側としては、この傾聴のテクニックが、他のボランティアの時にも活かされている。

例えば、スマホ等の使い方に関して、高齢者の相談に応じる時にも、

高齢者の方にとっては、何が分からないのか、等と聞かれるのは結構な負担のようだ。

何が分からないかを説明出来ないほど、全く分からない、というのが実状だ。

それに対して、「何が分からないのですか、具体的に聞いて下さい」等と言うのは最悪で、

私の場合には、まず相手のスマホを見て「良いスマホですね、どこで買われたのですか」

といった質問から初めて、次第にスマホで何をしたいのかを聞き出して、

それに対して、今どうしているか、何が困っているのかを、できるだけ雑談を交えて

ゆったりと聞き出していく。

この辺は、傾聴ボランティアの経験が活きているのではないかと思っている。

 

例えば会社員でも、営業マンは、自社製品を売り込むよりも、顧客の問題意識や要求を

きちんと聞き出してから、それにあったように提案する方が効果的だし、

普通の会社員でも、例えば上司から何がしたいのか、その背景は何かを聞き出してから

対応した方が、完成度の高い仕事が出来ると思う。

このような点で、傾聴というのは、重要なテクニックではないかと思っている。

 

傾聴ボランティアを終えて、車で帰宅。これで今日の主な活動は終わり。

途中、図書館で予約していた、イザベラバードの日本奥地紀行、という書籍を借りた。

 

この本は、イザベラバードというイギリスの女性が、1878年に日本各地を単身で旅行した時の紀行である。

最近の日韓問題に関連して、日本の朝鮮併合の是非の議論があり、この時代の事を記した書籍として

1907 Korea with Marquis Ito(伊藤侯爵と共に朝鮮にて)やThe new Koreaも読んだが、

まだ釈然としないためこの本も読むことにした。

イザベラバードが旅行したのは、日韓併合よりもしばらく前であり、

日本以外にも李氏朝鮮時代の朝鮮も旅行しているため、

同じ一人の西洋の女性から見て、当時の日本と朝鮮がどれほど違って見えたのかが分かることを期待してる。

両者が同じようなものであれば、日韓併合で朝鮮が劇的に豊かになった、との主張は「?」となるし、

大きな差があるとするならば、併合で劇的に豊かになったのかもしれない。

朝鮮奥地紀行も既に図書館で予約してあるので、読み比べるのが楽しみだ。