今朝は地面が湿っており、どんよりした雲の厚い、寒い朝だった。
そのうち、昼近くには薄日が射して来て、徐々に暖かくなってきた。
午後に予定があるので午前中にジムに行って軽く汗を流した。
帰宅した後は、昨日図書館から借りてきた「シュリーマン旅行記清国・日本」
という文庫本を読んでいた。
この本は、トロイを発掘したことで有名なシュリーマンが、その発見より数年前に
中国や日本を旅行したときの記録で、当時はまだ江戸幕府の末期、横浜が限定的に
開港された頃の話だ。
先日読んだイザベラバードの旅行記が明治時代なので、
それよりも20年程度さかのぼる頃だと思う。
考えてみれば、日本に住んでいながら、
江戸時代、明治時代の庶民の生活・風俗等に関してはほとんど知らない。
それに対して、国内の記録を見るよりも、西欧の人から見た記録の方が
現代の我々の感覚に近いのではないかと期待して読んだ。
シュリーマンは、中国・上海から長崎を経由して横浜港に入っている。
中国に関しても、万里の長城のすばらしさや、中国の女性の纏足という
風習に関して書かれていた。
日本到着後は、まだ外国人が珍しい頃で、江戸には特別な許可がないと入れなかったが、
なんとかツテを頼って入って、江戸城の周り、浅草、吉原界隈を散策している。
清潔なのと、厳格に職務を果たして、絶対にチップを全く受け取らないこと、
でも町の入浴場は扉が開けっ放しで男女混浴だったこと、等が書かれていた。
文明的には開けているが、文化的には封建制度が残っていることなども記載されていた。
いくつかの感想は、客観的というよりも、シュリーマンの属する西洋文化から見た主観的なもので、
批判などがフェアではない、と感じる部分もあった。
我々も、海外の様子をテレビなどで見るときに、我々自身の価値観で判断しがちだが、
その前に、現地の人々の生活、価値観等を充分に理解した後でないと、
全く誤った判断になる、ということが教訓としてあった。
イサベラバードの本に比べ1/4程度の分量で、最後に訳者のあとがき等が長かったが
大変面白く読ませていただいた。
これも夕方までに読み終えて、その後のボランティアに行く途中に図書館に返却した。
まだ4冊ほど予約しているが、いずれも待ち行列が長いので、しばらくはゆったりとできそうだ。