2019年12月10日(火)リタイヤ生活902日目

今朝は地面が湿っており、どんよりした雲の厚い、寒い朝だった。

そのうち、昼近くには薄日が射して来て、徐々に暖かくなってきた。

 

午後に予定があるので午前中にジムに行って軽く汗を流した。

帰宅した後は、昨日図書館から借りてきた「シュリーマン旅行記清国・日本」

という文庫本を読んでいた。

この本は、トロイを発掘したことで有名なシュリーマンが、その発見より数年前に

中国や日本を旅行したときの記録で、当時はまだ江戸幕府の末期、横浜が限定的に

開港された頃の話だ。

先日読んだイザベラバードの旅行記が明治時代なので、

それよりも20年程度さかのぼる頃だと思う。

 

考えてみれば、日本に住んでいながら、

江戸時代、明治時代の庶民の生活・風俗等に関してはほとんど知らない。

それに対して、国内の記録を見るよりも、西欧の人から見た記録の方が

現代の我々の感覚に近いのではないかと期待して読んだ。

 

シュリーマンは、中国・上海から長崎を経由して横浜港に入っている。

中国に関しても、万里の長城のすばらしさや、中国の女性の纏足という

風習に関して書かれていた。

日本到着後は、まだ外国人が珍しい頃で、江戸には特別な許可がないと入れなかったが、

なんとかツテを頼って入って、江戸城の周り、浅草、吉原界隈を散策している。

清潔なのと、厳格に職務を果たして、絶対にチップを全く受け取らないこと、

でも町の入浴場は扉が開けっ放しで男女混浴だったこと、等が書かれていた。

文明的には開けているが、文化的には封建制度が残っていることなども記載されていた。

 

いくつかの感想は、客観的というよりも、シュリーマンの属する西洋文化から見た主観的なもので、

批判などがフェアではない、と感じる部分もあった。

我々も、海外の様子をテレビなどで見るときに、我々自身の価値観で判断しがちだが、

その前に、現地の人々の生活、価値観等を充分に理解した後でないと、

全く誤った判断になる、ということが教訓としてあった。

 

イサベラバードの本に比べ1/4程度の分量で、最後に訳者のあとがき等が長かったが

大変面白く読ませていただいた。

これも夕方までに読み終えて、その後のボランティアに行く途中に図書館に返却した。

まだ4冊ほど予約しているが、いずれも待ち行列が長いので、しばらくはゆったりとできそうだ。