全4本のテレビシリーズのようで、8年間に渡る調査・取材を経て作成されたものらしい。
私は戦後に生まれて、東京裁判という言葉は聞いたことがあったが、
中身に関しては、A級戦犯とされた人たちが死刑判決を受けた、という程度の知識しかなかった。
内容に関しては、詳細は書かないが、結構面白い内容だった。
裁判所憲章に則り、平和に対する罪、人道に対する罪、通常の戦争犯罪の3つの容疑で
戦勝国11カ国からの11人の裁判官・判事で議論された。
しかし、平和に対する罪というのは、戦争開始時点では存在しない法律で、事後法となっている。
また、日本のアジアへの侵略行為が、他の欧米諸国の植民地政策と何が違うのか、
戦時中行われた民間人への迫害と、広島・長崎への原爆投下が何が違うのか、
ドラマでは明確に描かれていなかったが、裁判官・判事の中でも多くの意見の対立があり、
裁判そのものの正当性に関して疑問を呈する人もいた。
最終的にそれぞれ絞首刑、懲役などの刑が言い渡されたが、この裁判が本当に正当なものだったのか、
担当した裁判官・判事が法務的に本当に正しく判断をしたのか、やりきれな中途半端さの残る内容だった。
後でネットで調べたところ、この東京裁判は極めて政治色の強いもので、法的な欠陥等もあって
現在ではその内容に関して、かなり批判的な論説がなされているようである。
この11人の裁判官の中で唯一、インドのパール判事だけが、明確な論拠を示して全員無罪との
意見書を提出している。
その評価はいろいろとあると思うが、自分の信じる事に関して圧力に屈せず自説を曲げなかったことに感銘した。
もう少し勉強しなくてはいけないが、東京裁判というビデオは本当に興味深かった。