2017年5月8日(月)リタイヤ生活266日目

今日も快晴で、外で歩いていると少し汗ばむような陽気だった。

 

今日は、ある方のお誘いで知的障害者施設を訪問した。

国立にある滝乃川学園というところで、石井亮一・筆子夫妻によって設立された

日本で最初に設立された知的障害者のための社会福祉施設として知られている。

 

今回、誘って頂いた方からのお話で、先日は石井筆子さんに関する書物を読んでいたため、

滝乃川学園や、有名な天使のピアノをみたい、という思いが募っていたので、

今日の訪問は本当に楽しみだった。

 

滝乃川学園は、南武線矢川駅の近くの閑静な住宅地の先にあった。

木陰が多く、矢川という小川を挟む敷地の中に、いくつかの建物が点在しており、

国立市の遊歩道も通っているとのことだった。

 

記念館で常務理事の米川さんに迎えて頂いた。

歴史ある施設の常務理事ということで、行く前には、いかつい年輩の方を想像していたが、

本当に気さくでフレンドリーな方だった。

 

まず礼拝堂に案内され、そこに設置された天使のピアノを見せていただいた。

礼拝堂は想像していたよりもこじんまりしていた。

ここで暮らしている障害者の皆さんが作ったと思われるステンドグラスや、壁のちぎり絵が、

清楚な雰囲気を醸し出していた。

 

その祭壇の横に設置されている天使のピアノは、日本最古のアップライトのピアノで、

書籍によれば、筆子さんが結婚される際に、父親から送られたものだそうだ。

米川さんの話によると、当時、すべての部品をドイツから輸入して、横浜で組み立てられたらしい。

正面中心に天使が二人の子を抱いているエンブレムが入っており、

これが天使のピアノの名前の由来になっている。

やっと本物を見ることができた。

 

米川さんには、このあと記念館に戻って、いろいろとお話を聞くことができた。

米川さんは、石井筆子さんの研究の第一人者らしく、

いろいろと書物になかったこともお話しして頂いた。

特におもしろかったのは、海外では知的障害者を隔離するような方向だったが、

日本では元々、障害者も社会でうまく受け入れる文化があった、との話だった。

例えば、落語に出てくる与太郎のようなものらしい。

障害があっても、社会の中で受け入れ、そこでできるだけの役割を与える。

この文化に関しては、薄れないようにうまく守っていくことを考えなくてはならない。

 

今回の話を聞くまで滝乃川学園というところを知らなかったが、

訪ねてみると障害者教育いろいろ考えさせられる ことが多かった。

他の方も、機会があれば是非訪れてみた方が良いと思う。