最近、ネットでビデオを見る機会が増えた。
何かあると、Googleでネット検索してテキストや写真の情報を得るよりも
YouTubeで動画を見る方がわかりやすい事が多い。
以前、PCのハードをアップグレードしようとした時でも、
YouTube上にPCの開け方等、必要な情報がビデオとして投稿されていたため、
簡単に行うことができた。
今日は、そのようなネットのビデオの中でTEDを見た。
TEDは様々な専門家が、10-20分程度の短いスピーチの中で、
重要な専門知識、新たな知見等を話してくれるため、効率よく様々な知識を得ることが出来る。
今日見たのは、Dan PinkさんのThe Puzzle of Motivation、邦題はやる気に関する驚きの科学、である。
この人は、モチベーション2.0という書物も出しているが、キャリアアナリストという職業の人らしい。
その中で語られていたことは、世の中で言われる成果主義に関連する話である。
一般に、よく働いてもらおうと思ったら、高い報酬を提供することが効果的と言われている。
しかし、実際の調査によると、知的作業に関しては、高い報酬を提示すると生産性が落ちるらしい。
一方、単純作業は高い報酬で生産性があがる、とのこと。
高い報酬は、視野を狭めそこだけに集中させてしまうため、
創造的な仕事、つまりルールが曖昧でゴールが一つではない仕事では、かえって生産性を低下するらしい。
ダン・アリエリさんという人の調査では、比較的豊かな米国でも、貧しい人もいるインドでも、
これを裏付ける結果がでており、
更にロンドンのある大学の調査で、成果主義を導入した51の工場で
パフォーマンスに関してマイナスの影響を持ちうるとの結果になったとのこと。
Pinkさんは、これにより、成果主義、報酬のような外的動機付けをするのではなく、
内的動機付けとして、自主性を重んじて、成長を促進することができ、良い目標を持つことが効果的
と説明している。
例えばGoogleが社員に対して20%の自由時間を与えた結果、新製品の約半数がそこで開発されたとのこと。
これを聞いて、やはり創造的な仕事には、モチベーションが必要で、
更にそのためには、会社として、如何に社会に貢献していくか、如何に社員や顧客を大切にしているか
等が重要であることを感じさせられた。
必ずしも報酬が全く無関係とはいえないが、このような結果は人間の善良性を裏付ける気がして
少し嬉しく感じる講演だった。