早くも2月最終日。リタイヤしてからまもなく1年になる。早いものだ。
今日はたまたま見ていたYouTubeで、ケリー・マクゴニガルさんの
「ストレスを友達にする」というTEDの講演を見つけた。
このケリー・マクゴニガルさんは、以前、スタンフォード大学の自分を変える教室
(スタンフォード白熱教室)でも有名だった女性で、最近、あるテレビコマーシャルにも登場しているようだ。
この講演で面白かったのは、強いストレスが体に悪いのではなく、
強いストレスが体に悪いと思うことが体に悪いという話である。
ある調査によると、強いストレスにさらされている人の中で、
ストレスは体に悪いと感じている人の死亡リスクは他よりも43%高く、
そう感じていない人の死亡リスクはほぼ変わらなかったらしい。
強いストレスにさらされると、誰でも心拍数が速くなるが、
それを心臓に強いストレスがかかっていると感じるか
充分な血液を心臓に送り込んでくれていると感じているかによる。
悪いと感じている人の心臓は、ストレスで血管が収縮して心臓病の原因になりやすく、
悪いと感じていない人は弛緩したままだったらしい。
講演では 、むしろストレスによって分泌されるオトキトシン(ハグホルモン)というホルモンによって、
人と人の繋がりを強めたいという気持ちになったり、
そのホルモンの受容体が心臓にあって、心臓を強化してくれる、ということだった。
この結果、身内が亡くなる等強いストレスを感じている人でも、
他の人を助けていない人の死亡率は30%高く
助けている人の死亡率は変わらないとのことだった。
そこで、ケリーさんは、人々に対してストレスを感じないようにするのではなく、
ストレスに対する考え方を変えて、ストレスとうまくつきあう事が重要である、と主張している。
皆、人間関係に悩むことは多いが、そうであっても、やはり人は社会的な動物である。
この講演を聞いて、高齢者が社会福祉活動を行うことの意味も
充分に感じることができた。